大蛇

-おろち-

 

舞歌「青草を 結ひ束ねてぞ 蓑笠と 作り初めます 須佐之男の神」

 

 高天原(たかまがはら)を追われた須佐之男命(すさのおのみこと)は、出雲の国、斐の川にさしかかり、そこで嘆き悲しむ老夫婦に出会います。理由を尋ねると、八岐大蛇(やまたのおろち)が毎年現れ、1年に1人ずつ娘を攫っており、遂に最後の娘・稲田姫(いなだひめ)も攫われてしまうと言います。

 そこで、須佐之男命は、大蛇に木の実で醸した毒酒を飲ませ、酔ったところを死闘の末、退治します。

 そのとき大蛇の尾から出てきた剣を「天叢雲の宝剣(あめのむらくものほうけん)」と名付けて天照大御神(あまてらすおおみかみ)に捧げ、須佐之男命は稲田姫と結ばれます。この宝剣は、後に日本武尊(やまとたけるのみこと)によって「草薙の剣(くさなぎのつるぎ)」と改名され、三種の神器の一つとして今でも皇位継承の証となっており、現在は愛知県の熱田神宮に奉られています。